症例蓄積による分類精緻化
The Case Accumulation Doctrine
JANPD 設計理論層 | D-010
- コラムID
- JANPD-D-010
- 階層
- D層(Design Theory / 綱領)
- 位置付け
- 綱領第10条 ── 体系の継続的進化を担保する綱領
- 発行
- 2026年5月17日(第1版)
- 発行団体
- 日本ほうれい線・口横ドレープ研究会
- 英文略称
- JANPD
- 理論定理
- D-010-T1 / D-010-T2 / D-010-T3
- 関連綱領
- D-001 〜 D-009(全綱領を対象)
- 関連Phenotype
- P-001〜P-012(全 Phenotype の継続改訂対象)
- 関連Application
- すべての症例コラム(A-001〜)
- 英文タイトル
- The Case Accumulation Doctrine
- 引用形式
- JANPD-D-010 (2026). 症例蓄積による分類精緻化.
本綱領は、JANPD 綱領体系の完結を意味する条文であると同時に、その永続的な成長を担保する条文でもある。診断基準・Phenotype・治療プロトコルのすべては、現時点の知見に基づく第1版であり、症例蓄積・臨床知見の進展に応じて改訂されるべきものである。本綱領は、改訂の原則・版番号運用・過去版の永久保存・引用形式 ── 研究会が学術的継続性を担保するための運用ルールを確立する。
「完成形」ではなく「成長する体系」として
D-001〜D-009 までの9条を通じて、JANPD は口横ドレープしわという新疾患概念とその診療体系を確立してきた。しかしこの体系は、決して完成形ではない。すべての医学的綱領は、それが発行された時点での最善の集成であり、症例の蓄積と臨床知見の進展により、改訂され続けるべきものである。
診断基準で著名なリウマチ ACR 基準、糖尿病 ADA 基準、各種癌の TNM 分類 ── これらはすべて版を重ねながら成長してきた。最初の版から完璧であった分類は存在しない。版の蓄積こそが、その分類の信頼性と権威性を高める。
JANPD-D-010 は、研究会の綱領体系を「成長する学術文書」として運用するための原則を綱領化する。これは、現時点の体系を否定するものではなく、未来の改訂に対する責任ある運用基盤を提供するものである。
マイナー改訂とメジャー改訂の区別
本綱領は、改訂の規模に応じて2階層の運用を定める。改訂の階層は、URL・引用形式・過去版の保存方針すべてに関わる重要な区別である。
マイナー改訂
誤字修正・補足追加・図表の微調整・引用関係の修正など、本体構造に影響しない改訂。URL は変更せず、改訂履歴のみ更新する。各綱領内に「改訂履歴」欄を設け、変更日と内容を明示する。
メジャー改訂
分類軸の追加・定義の本質的変更・新綱領の追加など、本体構造に影響する改訂。第1版を /v1/ パスに複製・凍結し、現行版を v2 に差し替える。新版発行と同時に旧版を「過去版」として保存する。
マイナー改訂は「同じ文書の修正」、メジャー改訂は「新しい版の発行」である。両者の運用を明確に区別することで、引用者・読者はどの版を引用しているかを正確に把握できる。
SECTION 03 | 過去版の永久保存歴史的記録としての版アーカイブ
本綱領は、メジャー改訂時の過去版を永久にアーカイブとして保存することを必須とする。これは、研究会の学術的継続性を担保するための、最も重要な運用原則である。
新版発行前の旧版凍結
メジャー改訂前に、現行版(例:v1.0)を /charter/v1/ パスに複製し、編集不可の状態で凍結する。
新版発行
新版(例:v2.0)を本体パス /charter/ に発行する。トップに「v2.0 発行 / v1.0 はこちら」と明示し、過去版へのリンクを提供する。
改訂趣意書の発行
新版発行と同時に、改訂の理由・変更点・前版との関係を明記した改訂趣意書を別ページとして発行する。
過去版の永久保存
過去版は永久に /charter/v1/、/charter/v2/ 等のパスに保存し、削除しない。これは研究会の学術的継続性を担保するための不可侵原則である。
「過去版を消す」「最新版だけが正しい」という運用は、学術文書として致命的である。過去版を保存することで、研究会の知見がどう進化したか、どの版がいつ何を主張していたかを、未来の研究者・医師が検証可能となる。
SECTION 04 | 引用形式JANPD 綱領の正式引用方法
本綱領は、JANPD 綱領を他の論文・記事・診療録・プレゼンテーションで引用する際の標準形式を定める。引用形式の明示は、版の区別と学術的継続性を担保するために不可欠である。
標準引用形式
引用形式に必ず発行年(版番号)を含めることで、将来 v2、v3 が発行された際にも、どの版に基づく診断・治療判断であったかが永久に明示される。
SECTION 05 | 定理本綱領が定める3つの定理
体系の有限性と進化の必然性
「すべての医学的綱領は、発行時点での最善の集成であり、未来の改訂に開かれた有限の体系である。」
いかに精緻に構築された綱領体系も、発行時点で利用可能な知見の集成に過ぎない。新たな症例・新たな治療デバイス・新たな解剖学的知見は、必ず将来現れる。「完成形」を主張する綱領は、自らの硬直化を宣言するに等しい。本研究会は、綱領体系の有限性を認め、進化を必然と位置付ける。
過去版不可侵の原則
「過去版は永久に保存され、削除されてはならない。」
過去版の保存は、研究会の学術的誠実性を担保する根幹である。過去にどう主張し、何が改訂されたかを記録に残すことで、研究会の知見の進化が検証可能となる。過去版を消すことは、研究会の歴史を消すことと同義であり、本綱領下では絶対に許されない。これは未来の研究者への、現在の研究会からの不可侵な義務である。
症例が綱領を進化させる原則
「綱領の改訂は、症例蓄積から生まれるべきであり、机上の論理のみで行われるべきではない。」
綱領の改訂は、特定個人の思いつきではなく、蓄積された症例から生まれる臨床的洞察に基づくべきである。Application 層(A-001〜)に蓄積される症例こそが、Phenotype 層(P-001〜P-012)の精緻化を促し、最終的に Design 層(D-001〜D-010)の改訂につながる。研究会の階層構造(A→P→D)は、知見の流れと改訂の方向性そのものを表現している。
D-010 が綱領体系で果たす役割
JANPD-D-010 は、D-001〜D-009 のすべての綱領に作用するメタレベルの綱領である。他の綱領が「何を診断・治療するか」を定めるのに対し、本綱領は「綱領体系そのものをどう運用・進化させるか」を定める。
FAQ
第1版を「凍結」する意義は何ですか?
学術的継続性のためです。「2026年5月17日に世界で初めて口横ドレープしわが診断学的に定義された」という歴史的事実を、第1版という形で永久に記録します。未来に v2、v3 が発行されても、第1版は永久にアーカイブされ、研究会の出発点としての歴史的価値を持ち続けます。
マイナー改訂の判断基準はどう設定されますか?
本体構造に影響しない変更がマイナー改訂です。具体的には:誤字修正、説明の追加、図表の改善、引用関係の追記、Application 層からの好事例の追加 ── これらは v1.1、v1.2 として現行 URL のまま更新されます。一方、分類軸の追加・定義の本質的変更はメジャー改訂となり、新 URL(v2)として発行されます。
改訂時、過去版を読みたい人はどうやってアクセスできますか?
過去版は /charter/v1/、/charter/v2/ のパスに永久保存されます。現行版のトップに「過去版アーカイブ」へのリンクを設け、いつでもアクセス可能です。研究者・引用者が過去版を参照する際に困らないよう、運用を恒久化します。
改訂は誰がどのように決定するのですか?
研究会の総意として決定します。改訂提案は症例蓄積・新知見・他研究機関からのフィードバックなど、複数のソースから生まれます。提案された改訂は、研究会内で議論を経て、合意に至れば公式改訂として発行されます。改訂の理由と経緯は、改訂趣意書として永久に公開されます。
JANPD 綱領 第10条 原文
第10条(症例蓄積による分類精緻化)
本研究会は、診断基準・Phenotype 分類・治療プロトコルを含む綱領体系のすべてを、症例蓄積と臨床知見の進展に応じて継続的に改訂することを綱領化する。
改訂は マイナー改訂(誤字修正・補足追加) と メジャー改訂(分類軸の追加・定義の本質的変更) の2階層に区分し、それぞれ別個の運用ルールに従う。
過去版は 永久にアーカイブとして保存 し、いかなる理由でも削除してはならない。これは研究会の学術的継続性と歴史的誠実性を担保する不可侵の原則である。
本研究会の Application 層に蓄積される症例 こそが、Phenotype 層の精緻化と Design 層の改訂を導く源泉である。研究会の階層構造(A→P→D)は、知見の流れと改訂の方向性そのものを表現する。
JANPD 綱領 第1版(2026)の完結
10条綱領、ここに完結
D-006 / D-007 / D-008 / D-009 / D-010
2026年5月17日、日本ほうれい線・口横ドレープ研究会は、診断・治療・予防・誤診回避・解剖学的視野・継続的改訂のすべてを網羅する10条綱領を完結させた。
本綱領 D-010 をもって、JANPD 綱領 第1版(2026)は完結する。しかし「完結」とは「終わり」ではなく、「体系が運用可能な完成度に達した」という宣言である。ここから研究会は、Application 層(症例コラム)の蓄積、Phenotype 層の精緻化、そして将来のメジャー改訂(v2、v3 …)へと進む。
口横ドレープしわという新疾患概念。Minyoung E-Sign という独自臨床検査。3軸分類・派生概念・予防医学・多層介入・継続改訂 ── これらすべてが、2026年という時点での研究会の到達点であり、同時に未来への出発点でもある。
本綱領を引用する際は、必ず「第1版(2026)」を明記いただきたい。これは、本研究会が将来の改訂に対して責任を負うための、最初の運用ルールである。
関連リソース
JANPD 綱領 全10条・診断基準・症例アーカイブ
本綱領は、日本ほうれい線・口横ドレープ研究会(JANPD)が掲げる臨床的指針であり、各医療機関における診断・治療を法的に拘束するものではありません。記載内容は2026年5月時点の研究会の知見に基づいており、本綱領(D-010)の運用原則に従い、今後の臨床知見の蓄積により改訂される予定です。本綱領を引用される際は、版および発行年を明記してください。
日本ほうれい線・口横ドレープ研究会 | JANPD | perioraldrape.org | 綱領第1版(2026.5.17)
Comment